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桜東ハンドボールクラブは,2015年にできた小学生のハンドボールクラブです。 Tri-C Ball Party (トリック・ボール・パーティ)を開催してます。 Coordination, ball Control, Communicationの頭文字三つ(Tri, トライ)でTri-C(ハイフンはよくわからずつけた)。 小学生・未就学児・そのお父さんお母さんを対象として,ストリートハンドボールやハンドボールを題材に、ボールの投げ方,走り方などを楽しく「練習」します。 「あ,なんかみんなでボール遊びやってる」って思った通りすがりの方,どうぞあがってって下さい。
考えさせること
本日は毎月恒例の,桜南保育所でのボール投げ教室&桜南児童館での(ハンド)ボール教室でした。


保育所ボールは,今までと趣向を変え,ドリブルの練習を入れました。
グループを二つに分けて,一組はホールでゴムまりを使ったドリブル練習,もう一組は園庭でサーキットトレーニング(というか,アスレチック的な遊び)をしました。

ドリブルの練習の一つに,ジャンピング・レッグレンジをしながらボールをつく,というのをやってみましたが,手足の短い園児たちはやりにくそう。

それで,どうやったらやりやすいか,考えてもらいました。

といっても簡単です。
からだの横でドリブルすればいいのです。口で言えば数秒ですみます。

でも,それは言わず,二つ見本をみせました。
からだの横でつくのと,からだの前でついてボールを蹴っちゃうのと。
何人かは,「ボールをけっちゃったから,だめー」と言いました。
でも,ある子が「からだの横でボールをつくと上手にできる!」ということに気がつきました。

みんなとっても納得し,出来るようになりました

児童館での練習はストリートハンドボールをやりました。
もちろんほとんどやったことのない子達ばかりなので,とまった状態でパスをして,いきなりシュートをうちます。相手が目の前にいてもいなくてもおかまいなしです。当然入りません。

ここで「ほらこっちがノーマークだよ」「前に走るんだよ!」と指示を出せば,当然そのように動きます。でも声を出す人がいなくなると動かなくなります。

そこで,一回,縦横無尽にノーマークをみつける見本を見せました。
詳しくは言いません。ちょっとヒントを上げるね,と言っただけです。

すると次のプレイでいきなり2年生の女の子がクロスプレイを,3年生の女の子はポストプレイを決めました。もちろん,教えてません。


言われるままにつくのと,そこに自分から気がついて「あ,そうか!」と言ってやるのとは雲泥の差があるのです。

なぜか。

気づくことを面白がると,それから先も自分でどんどん工夫するようになるからです。

ただし,時間はかかります。仮に競技スポーツだとしたら,その代ではなかなか勝てないと思います。見当はずれのことをやる事も多々あります。でも考えたという行為を大事にしてあげると「問題や解決法は,観察して,探すもの」という感覚が子どもの身につくと思うのです。目先の勝利よりはるかに価値のあるものです。


保育所に戻りますが,ボールをつく手を交互にして,前後に出した足をかわしていた子がいました。
もしすぐに「ボールを横でつきなさい」と教えたら,このトリックをこの子は生み出さなかった訳です。


ただし,単に「何したらいいか考えろよ!」というだけでは,単なる放任ですね。
それでは子どもも戸惑います。

考えたり,気づいたりするのが嬉しくなるような仕掛けを作ってあげたいですね。

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判断力とそれを実行するためのからだ作り
先日,指導している中学にあるコーチが特別に指導に来て下さいました。大変な実績のある大物コーチです。色々と都合があったにも関わらず,一所懸命練習してる生徒のために時間を作っていただきました。

で,私自身10年以上小中高生(最近は未就学も)に指導をしていますが,この日の練習を終えて,本当に目からウロコなことばかりでした。一番おっしゃっていたことは「考えること」でした。それも,チームプレイではなく,個人プレイからです。

コーチがメニューの開始時に,あえて多くを言いません。最低限のルールとオーガナイズだけです。セオリーはこうだからに,というのは当然あるのですが,それも言いません。ずっと見守り,時に叱咤します。でも答えを容易くは言いません。例えば3mくらいの範囲内にいるDFをかわす練習があったとします。例えば,パサーからパスをもらう瞬間ずれるとか,間合いを外すとか,色々と基本があります。それも言いません。

私は以前から,「型が大事で,それを実践するからだ作りが大事で,それを実戦に昇華させるべき」と常時意識してました。それはそのコーチの考えと近いのかな,と思います。

違うのは,その型さえも,選手に判断させる,ということ。曰く,「どんな変な形でも,結果がよければいい」ということでした。ただ,その結果を出す為にはどうしたらいいか,全力で考えろ,ということです。そして,その考えを実行できるためのフィジカルをつけさせてあげる,ということでした。

そうですよね。型の美しさを競う競技ではないですよね。私は,フォーメーションを教えこみ過ぎたり,試合でシュートコースさえも指示したり,といった,考えをなくさせるような指導は嫌いです。でも私がここは教え込んでも良いと思っていた「型」さえも,時には教え過ぎに入る場合もあるんですね。

そして,中学生の年代には何をしたら良いのか,と質問したところ,意外にも「体作り」でした。中学生は成長期に入るため,一時的に不器用になります(クラムジーといいます)。そんな時期にあれこれ技術を教えてもよろしくない,とのことでした。それよりは,判断と体幹を鍛える方に時間を費やした方が良いそうです。そうすると後で一気に伸びる,とのことでした。

昔,小学生を教えていた時も,小学生の間に勝たせたい(中学でできないから)とか,小学生に判断は無理だ,とかいう思い込みでいました。でもそれはやはり長い目でみると「ある時期にしか身に付かないものを身につけさせず,その後成長するはずの子を成長させなくしてしまう」という,取り返しのつかないことになりかねないんですね。とりわけスローフォームとコーディネーションですね。

なお,スローフォームは固まってしまったらもう直さない方が良いそうです。3ヶ月くらい,実戦形式の試合なしでひたすら練習したら直るけど,試合をするとすぐ元に戻る,とのこと。つまり直すだけ無駄だそうです。それよりも,そのスローフォームでどうやったらシュートまでいけるか,そちらを練習すべき,とのことでした。

私が今まで考えていたことと,共通する点がほとんどでしたが,そうだったんだ,と思う点もありました。絶対の正解はないとは思いますが,大事なのはコーチ自身も「考えること」なのかと思いました。
君のことをみているよ。君も仲間をみてね。
さて,大分みんななじんできたことで,だんだん子どもらしくふざけるようになってきました。
大抵コーチが

「静かにしろ!」
「なにやってんだ!話を聞け!」

と怒るところです。
前にも書きましたが,怒鳴った瞬間,子ども達は目を丸くして静かになります。
でもそれはやっぱり怒鳴られたからなんですね。
コーチはお話を聞いてほしいから怒鳴ったのですが,それは伝わってなくて,

「怒られるのがいやだから,静かにする」

訳です。


それで,なぜ静かにして欲しいのか,お話を聞いてほしいのか,お話しました。この辺りは人によってやり方がありますが,私は

「聞いた人には,良い事教えてあげるよ」
「聞かなくても良いけど,聞きたい人がいるから静かにしてくれる?」

みたいにします。

また,お話したい人の気持ちも話します。
お話を伝えたいので,
「僕の目をみてくれる?」
と。
そうすると,遊んでいた子がこっちをみてくれます。
それでも見てくれない場合は,待ちます。
ふざけている子にはふざけたい理由があるんだと思います。
お話が長過ぎて飽きてたり,他のこと興味がいっていたり,なにより,自分に注目して欲しかったり。
それも汲み取って,時にはふざけるのにのったりして,でも最後にはこちらに引き入れます。
軟着陸のイメージですね。怒鳴ってこれらを全部強制的に抑えると,どこかでまた漏れ出す気もするのです。それよりは,

「もちろん君のこともみているよ。相手のこともみてくれるかい?」

というイメージでしょうか。もちろん,私もこんなにうまくはいきませんが。

相手の目をみることは,実はプレイでとっても大事なことです。
相手が何をして欲しいか考えないままプレイすることが,子どもには多々あります。
誰もいないところにボールを投げてしまったり,投げてほしいのに自分で抱え込んでボールを投げなかったり。
そんなときは,仲間同士で目が合ってないんですね。
なので,「仲間の目をみてごらん」というと良いのかもしれません。
そうすると自分から仲間を探してプレイをするようになると思います。
義足のランナー
ちょっと前ですが,ニュース番組で義足のランナーが増えている,という特集が組まれていました。
事故や病気で足を切断した人たちにアスリート用の義足を紹介する,という事業が取り上げられ,とても感銘をうけました。走るという世界を失った,または生涯得る事が出来なかったであろう人たちに,「失った世界」を取り戻す行為だったからです。0だったことを10にすることは,非常に労力がかかり,また多大なケアが必要です。その一歩を間違えると,その人にとっての世界が開けなくなるからです。

一方で,(あくまで感覚的ですが)20くらいの能力を60くらいまで引き上げるのは,さして難しいことではありません。小学生の競技スポーツでいえば,(子どもや親の負担を度外視して)単純に練習時間を増やせば,ある程度は上手になります。これが60くらいのものを80, 90まで上げるのは,難しいです(こういう場は,生まれつき高い運動能力を持った子に用意されることが多い)。

子どもがスポーツを始めるときに,いろんな選択肢があります。どんな場(クラブや教室)を選ぶのが良いのかは,今後のスポーツライフの上で重要です。その場が何を目指しているのかは,子どもに対してコーチがどんな接し方をしているかをみれば分かると思います。目先の実績を重視すると,指導にかけるトータルな時間はトップの子に集中します。一方で,子ども一人一人に新しい世界を開かせようとすれば,自然と全ての子に声がかかると思います。

コーチは,相対的に能力の高い子にどうしても注目してしまうものなのです。でも,ボールの取り方,投げ方を知らなかった子。走り方がよくわからず,運動会がひたすらいやだった子。
相対的に能力の低い子が日に日に変わっていく。常に新しい世界を,こどもの能力に応じて提供する場が,価値ある場になるのではないでしょうか。

そしてそういう場(0->10)の方法は,強度が違うだけで,実は60->90の方法と通ずるのでは,と思います。先に紹介された団体では,足を失った方が義足をつけて「5歩」走りました。そして涙してます。その同じ団体からはパラリンピックの選手が出ているのです。
気になる叱り方
前々から書いてますが,

「なんでそんなことするんだ!」
「なにをやってるんだ!」

と試合中にコーチが叱ったとしたら,それは「自分は何も教えてないんだ!」と,カミングアウトしているのと等しいです。

僕が願う叱り方というか問い方は,

「それで何を狙おうとしたの?」

と聞く事です。

すごくまどろっこしく,そして時間がかかります。
でも頭ごなしにしかることは,判断を奪います。

「子どもにそんな難しい判断は無理だ」と言われたことがあります。ですが,こういう考えだと「子どもは大人の言う通りに動いていればいいんだ」と育ててしまいそうです。

例えば自分の子どもが道路に急に飛び出したとします。

当然、まず、「危ない!」と止めます。

そして親は怒るでしょう。
「なにやってんだ!」って。

子どもはそれでしょんぼりします。
でもそれは,命の危険にさらされたからではなく,親に叱られたからです。
そして,叱る人がいないと,多分また飛び出してしまうのではないでしょうか。


「(自動車が来るかどうか)見たのか!?」


の方が良いのかなと思います。子どもが「判断しなかったこと」を注意しているからです。

ーーー
ただ,親はこういう叱り方は難しいかもしれませんね。なぜならお互い甘えるからです。
どこかのコミュニティに参加し,叱るのは他の大人に任せた方が良い場合もあります。

Tri-Cでは,ダメなことは(まどろっこしくても)できるだけこれにそって,叱るようにしたいです。なぜなら,スポーツは遊びの場だからです。「リア充ごっこ」や「挫折ごっこ」が出来る場だからです。
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参加方法
  • 対象 小学生男女およびその家族(未就学児は保護者同伴で可)
  • 練習
    日曜日 並木小学校グラウンド
    不定期土曜日 桜南小学校体育館
  • 参加費 無料(寄付 1回 1-500円程度)
  • 参加方法 開催日ごとの参加票に入力の上、直接会場にお越しください。
  • 年間参加費
    1,000円/年(子供)、2,000円/年(大人)
    登録手数料 200円/件・家族
    ※スポーツ保険+雑費
プロフィール
HN:
Tri-C Ball Party
性別:
非公開
自己紹介:
2011年12月から茨城県つくば市並木地区で,ハンドボールを自由に出来る場を作ろうとする,その記録。

2012年に並木ハンドボールスクールと称して数回スクールを開催も諸事情で一旦休止、バーチャルクラブに。

2013年にみんなで自由にボール運動を出来る場を、と隔週で活動再開。徐々に参加者が増える。

そして2015年4月。

ついに「桜東ハンドボールクラブ」として,活動開始!

問い合わせ先
kyazaki001 (at) gmail.com

(at)をアットマークに。
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