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桜東ハンドボールクラブは,2015年にできた小学生のハンドボールクラブです。 Tri-C Ball Party (トリック・ボール・パーティ)を開催してます。 Coordination, ball Control, Communicationの頭文字三つ(Tri, トライ)でTri-C(ハイフンはよくわからずつけた)。 小学生・未就学児・そのお父さんお母さんを対象として,ストリートハンドボールやハンドボールを題材に、ボールの投げ方,走り方などを楽しく「練習」します。 「あ,なんかみんなでボール遊びやってる」って思った通りすがりの方,どうぞあがってって下さい。
「指示し過ぎ」は「指示しなさすぎ」よりもアウト
前回のエントリがなんだか抽象的なのでもうちょっと具体的に。

前にも書いたと思いますが,僕が7年前に指導しだしたころ,試合中いちいち指示を出していました。「戻れ!」「はこべ!」「そこはパス!」「前があいてるよ!」「ディフェンスはもうちょっと右!」などです。当時は今に増して拙い指導で,とにかく教え忘れていることが沢山ありました。試合になるとそういう穴が沢山見つかります。なので少しでも試合を有利に進めてもらおうと,ベンチでぎゃーぎゃーと騒いでいました。

ですが,ある事に気がつきました。私が黙っていると,選手は全然動かなくなるのです。選手はマリオで私がコントローラを握っている状態です。ああ,これでは選手の試合じゃなくて、僕の試合じゃん。

前が空いている,ターンオーバーを受けて戻らなくてはならない,このシーンでついつい周りが声を出してしまいます。ですが,前が空いてることに気づく事,ターンオーバーで戻らなくてはならないこと,これに「気づく事(認知)」こそ,教えられた技術であるはずであり,これを出せるかどうか,試すのが試合です(「試し」「合い」です)。なぜ,周りが答えを教えるのか,ましてやそれを教えたはずの指導者自身が騒ぐのか?ということを,ある時非常に疑問に思いました。

負ける事を許されない集団では,強力な指揮系統と,その指揮に従順に従う選手に育てないとなりません。これは否定しません。というか,そういう集団で働ける人材は社会に不可欠です。また,なんだかんだ言って勝たなきゃ仕方がない,という考えの人も多いでしょう(というか多数派でしょう)。

ですが,僕はそういう選手ではなく,むしろ指示を出す側の人材になって欲しいと思います。なので,試合では「戻れ!」とか「走れ!」といった認知や判断に関わる事は指示しません。コートの外から判断をして試合に勝たすことは簡単です。でも,自分自身の判断で成功/失敗することで得るものこそに価値があると思うのです。
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勝ち負け(3)勝利は子供の目標であり,大人の目的ではない
少年チームにおいて

(1)「勝たないと仕方が無い」
(2)「勝ち負けは関係ない」

というのを今まで述べましたが、これらは相反する概念ではありません。「誰が」という主語を意識して考えてみると整理できます。

競技をする子供自身には,練習から勝ちに思いっきりこだわってもらいたいと考えます。スポーツでもゲームでもなんであれ,「ムキになること」「夢中になること」そのものに価値があるからです。
そういう意識が弱い子には,ささやかな成功体験を積ませます。「ボールを落とさずキャッチできた」「転がったボールを相手より先に拾えた」と、本当にささやかでいいです。それを評価しながら徐々にステップを上げます。

一方,大人の立場は「その勝利(敗北)が子供の成長の成果なのかどうか」を見守るべきです。そうすると,試合での子供のプレイの一つ一つを見守るようになります。指示の声は不要です。成長の成果がみれないからです。ですので,ただ点差だけ、とれたタイトルだけをあげてはしゃいだり憤ったりしていては、別の意味で子ども目線に思えます。

以前、とある大会で、接戦を落としたチームがたまたま近くでミーティングしてました。コーチが「おめえら情けねえな、こんな試合落としやがってよ!あんなどうしようもないミスしやがって!もうやめちまえ!」みたいに激怒していました。試合も少し見てましたが、パスやシュートの精度はそんなに高いレベルではなかったです。きっと「あんなどうしようもないミス」を試合でしないように徹底した練習をしてこなかったんでしょう。試合で程よい緊張感になるようなメンタルトレーニングもしてなかったんでしょう。試合が終わって,試合に勝てなくて(コーチが)悔しくて当たり散らしてるだけ、と推測しました。


一言でまとめると「勝利は子供の目標であり,大人の目的ではない」ということです。
勝ち負け(2)勝ち負けは気にしない
勝ち負けについての続きです。

(2)「勝ち負けなんて気にしなくていい。楽しければいい。」について。

先に書いた通り,子供は勝ち負けにこだわります。だから本気でやって負けて自分を否定されるなら,適当にやって負けた方が良いと考えがちです。試合前に子供に「負けてもいいから思い切ってやっといで」という声がけをしている大人を時々見ますが,「負けてもいいから」って思わせた時点で,思いっきりやれなくなります(「ピンクの象」)。「うまくいかなくてくやしい」「うまくいってうれしい」という、失敗や成功体験をつむ機会を奪ってしまいます。

日本での社会生活の基本は,意思で色々なことを自由に選択できる,ということです。これは,選択される側になった場合(進学,就職,恋愛など),必ず競争が発生することを意味します。従って,この国で生活する以上,競争からは逃げられません。

「(ある)競争に挑戦できる力」というのは必ず子供に身につけさせなくてはなりません。「負けた子供の気持ちを考えて...」という貧困な発想で,競技等の順位づけを避けた時期がありました。子供を温室どころか培養液の中で育てるようなものです。競争に挑戦した、その姿勢を評価できるようにしてあげたいと思います。

なお「競争に挑戦する力」と合わせて必ずつけなくてはならないのは「どの競争に挑戦するのかを選ぶ力」です。
勝ち負け(1)勝たなきゃ意味がない
競技スポーツをする以上,勝ち負けがどうしてもついてまわります。

とりわけ,子供は勝負をすごく気にします。どんな相手だろうと,勝てば大喜び,負ければ悔しがります。この勝敗へのこだわりは,練習への取り組みの大きなモチベーションとなります。なので,勝敗へのこだわりは,大事にしたいと考えてます。

ここで注意しなくてはならないのは,周囲の大人が子供にみせるスタンスです。
大別すると
(1)「勝たなきゃやる意味がない」
(2)「勝ち負けなんて気にしなくていい。楽しければいい。」
とになります。

どちらも私の考えとは違います。

まず(1)「勝たなきゃやる意味がない」について。
「勝たなきゃやる意味がない」という考えは,スポーツに熱心な地域でありがちです。以前,試合に負けたとき「コーチがなってない、練習が悪い。」と責められたことがあります。一方,負けたときに「うちの子が役立たずですみません」みたいに謝られたこともあります。態度こそ正反対ですが「勝たなきゃやる意味がない」と考えている点で,どちらも根っこは一緒です。

勝ち負けは,対戦相手との相対的な力量差で決まります。そして力量差は産まれ持った素質で決まります。「そんなことない。努力すれば,きっと結果(以後,成績のことに限定)がついてくる」というのは,幻想です。「素質のある人が努力したから」結果を残せただけです。努力してもだめだった人の方が圧倒的に多数ですし,そういう人の言葉は残りません。

「勝たないとやってる意味が無い」「勝てないのは努力が足りないから」という大人につきあわされた子供は,勝てないことを恐れます。結果,自分より劣る相手だけを狙うようになります。あるいは,努力そのものを辞めます。

小学生の場合,勝敗はますます体格と筋力で決まります。どんなに練習をやっても,大きくて力のある相手には絶対勝てません。逆に,不適当な練習でも,相手が小さくて力が劣れば,勝てます。どうしても勝ちたいのであれば,負けそうな相手と試合をしない,強い子を7人集める,相手チームから有力選手を引っこ抜く(お金を払うなどして),などの手があります。

そんなの常識はずれと思うかもしれませんが,高校,大学,実業団などの強豪チームでは当然のことです。そういうチームの高度なプレイをみてみんな喜びこそすれ,否定する人はいません(私も否定しません)。どうして,大人のチームの常識が子供のチームではタブー視されるのか。

子供を育てようとするのが目的の団体であれば,勝敗やタイトル(○×大会優勝,とか)を周囲の大人が気にしてはしゃぐことは,子どもにとってはあまり意味はありません。
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参加方法
  • 対象 小学生男女およびその家族(未就学児は保護者同伴で可)
  • 練習
    日曜日 並木小学校グラウンド
    不定期土曜日 桜南小学校体育館
  • 参加費 無料(寄付 1回 1-500円程度)
  • 参加方法 開催日ごとの参加票に入力の上、直接会場にお越しください。
  • 年間参加費
    1,000円/年(子供)、2,000円/年(大人)
    登録手数料 200円/件・家族
    ※スポーツ保険+雑費
プロフィール
HN:
Tri-C Ball Party
性別:
非公開
自己紹介:
2011年12月から茨城県つくば市並木地区で,ハンドボールを自由に出来る場を作ろうとする,その記録。

2012年に並木ハンドボールスクールと称して数回スクールを開催も諸事情で一旦休止、バーチャルクラブに。

2013年にみんなで自由にボール運動を出来る場を、と隔週で活動再開。徐々に参加者が増える。

そして2015年4月。

ついに「桜東ハンドボールクラブ」として,活動開始!

問い合わせ先
kyazaki001 (at) gmail.com

(at)をアットマークに。
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