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桜東ハンドボールクラブは,2015年にできた小学生のハンドボールクラブです。 Tri-C Ball Party (トリック・ボール・パーティ)を開催してます。 Coordination, ball Control, Communicationの頭文字三つ(Tri, トライ)でTri-C(ハイフンはよくわからずつけた)。 小学生・未就学児・そのお父さんお母さんを対象として,ストリートハンドボールやハンドボールを題材に、ボールの投げ方,走り方などを楽しく「練習」します。 「あ,なんかみんなでボール遊びやってる」って思った通りすがりの方,どうぞあがってって下さい。
怒ってパズドラをクリアさせるか?
体育協会のスポーツ指導員に二ヶ月に一回送られてくる「Sports japan」という雑誌があります。
その中のある記事。最初にこう始まります。
「初めてスペインで子ども達のサッカーを見た時,驚いたことがある。
大人の怒鳴り声が,ない。
野球しかり。サッカーしかり。日本で子供たちの試合を見に行くと,ほぼ100パーセント,コーチやら監督やらの怒鳴り声が聞こえてくる。」

(中略)

「なぜ日本とスペインでは違うのか。スペインのスポーツは娯楽。やってみたいから始め,楽しいから続ける。」

(中略)

「コーチの仕事は,上手くなりたい子供,勝ちたい子供にアドバイスをすることであって,上手くさせるために,勝たせるために怒鳴ることでは断じてない。」

(中略)

「スペイン人の感覚からすれば,子供を怒鳴りつけている日本人の大人は,パズドラをクリアできない子供を怒鳴りつけているのと同じ,である。」


(金子達仁 2015 Sports japan, 40-41)
なぜ日本のコーチは怒鳴るのか。

スポーツは、「何かを得るためにするものだ」と思い込んでる人が日本に多いことを意味します。

まずは、しつけの場と捉えられてしまうこと。
そして、優劣の比較の場と捉えられてしまうこと、です。

とりわけ、期間が限られると(例えば小学生大会,インターハイなど)後者はより顕著になります。

小学生のハンドボールは,サッカーや野球などと違い,チーム数がすごく少ないので,3-4回勝つだけで全国大会に行けてしまいます(茨城の場合)。なのでつい子供以上に大人がムキになってしまうことが多いのです。

チームが全国に行った、優勝した、という、いわばスポーツの「オマケ」を欲しがるのは,実は多くの場合は大人側です。

子供は,全国大会だろうと町内大会だろうと,試合ができれば夢中になるんです。楽しいからやるんです。

大人の見栄がその価値を変えてしまいます。



さて,雑誌で紹介されている指導者は

「やっているうちに子供が笑顔になっていく。それが嬉しいんです。」

と言います。すごく共感できます。

ちなみにそのスポーツは「アルティメット」。フリスビーを使ったラグビーです。





楽しそう。


このスポーツ,審判がいないそうです。
選手同士でジャッジをするんだとか。

小学生の時友達とスポーツを楽しんでいた時,審判はみんなでやってました。
ジャッジしたりされたりすることで,ひいきしたりずるをすると相手は面白くないだろうな,ということを学んでいった気がします。

試合中にベンチや応援席の大人が審判を大声で罵倒するのを何回も見てます。

自分の権利を主張するために,なりふり構わず怒鳴りちらす大人を近くで見ていた子供たち。

本当は,審判は「自分たちの試合をコーディネートしてくれる仲間」なのにね。



「でも,厳しい指導で強く育つなら...」と思う人もいるのかもしれません。

じゃあ,ジュニアで厳しく育てられた日本は,楽しみながら大きくなったスペインよりも強いんでしょうか。




時間あるときに見てみてください。

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運動をしない女子
外部コーチしている中学の体験入部が始まりましたが,運動部に女子が来てないようです。ハンド部もです。どうしたことか,と思いましたが,多くの学校でその傾向があるようです。

文科省の調査によると,中学生女子の4人に1人は,60分以上運動していません。
これは一日あたりじゃなくて,一週間あたりです。
平成26年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果

何か充実していることがあれば(というか,別に充実してなくても健康でさえあれば),別にスポーツをやらなくてもいいと思います。経験的にですが,過度のスポーツは多くの場合,心身や人間関係を歪めるからです。

ただ,この調査の中で,「どうしてスポーツがきらいなのか」という設問がありました。
一番はなんだと思います?

私は「失敗したとき友達に冷やかされたから」かな,と思ってました。
でも実は,

「小学校に入学する前からからだを動かす事が苦手だったから」

でした。
運動がきらいな子の50%の子の理由の一つがそれです。


(文部科学省「H26年度全国体力・運動能力,運動習慣等調査結果:
2 中学生との調査結果」,文部科学省HPより)
一方で,どうしたら運動部に入っても良いと思いますか?という設問に対し,男子は「好きな種目がある」というのが一番でしたが,女子は

「友達と楽しめる」

でした。

(文部科学省「H26年度全国体力・運動能力,運動習慣等調査結果:
2 中学生との調査結果」,文部科学省HPより)


これらからいえるのは,女子にスポーツを取り組ませるには,

・小学校に入学する前から
・友達と一緒に
・好きなスポーツを楽しむ

のが必要ということでしょうか。
そりゃ,ハンドボールスクールやるからおいでよ,っていったって上の条件を満たしてないので,来ないはずです。また、常々低学年こそ大事だ、と言っていましたが、それどころではなかったんですね。

ちなみにTri-C Ball Partyは出張授業で保育所でもボール投げ教室を行ってます。運動が好きな子が増えると良いですね。
勝負をさけると,協調性がなくなる?
大変興味深いエントリーをみました。

競争と助け合い

親記事はこちら。

2014年8月14日 反競争的な教育が助け合いを減らす?

以前,「一瞬で不幸になる方法がある。それは自分を他人と比べること」という言葉に共感していただけに,これにはちょっとしたショックを受けました。

どういうことかというと,
  • 競争を全力でしないと,他人と自分との能力差をみる機会がない。
  • 「基本的な能力は,だいたいみな同じもの」と錯覚する
  • ある人が,ある物事を上手く出来ないのは,「その人の努力不足のせいだから,助ける必要はない」と考えるようになってしまう
ということらしいです。

確かに,スポーツにある期間,全力で取り組んで,その結果が伴わなかった場合,つまり努力が(成績に対して)実らなかった場合,全力でやればやるほど,叶わなかったショックは大きいです。そして,どうしようもない,生来の資質の差を感じるわけです。例えば僕には190cmの身長も,1mの垂直跳びの能力もありません。自分は劣るんだ,ということは試合をしないと分かりません。そしてどうしても超えられない壁が存在することを知ります。

人は平等ではないということが分かれば,自分が簡単にできることがどうしても出来ない人だっている,ということがわかる訳です。

ただ一方で,勝負に固執することで,自分より劣る人に対して攻撃するような例をよくみてます。小学生は特にその傾向が強いです(以前も書きましたが「すごいね」と褒めることの弊害です)。攻撃される側は,辞めてしまいます。これからどんどん成長して変身していくにも関わらずです。

結局,勝負と協調性を結びつけるためには,相対的な関係を一つ上の視点に昇華できるかどうかにかかっていると思います。絶対的な才能の差を目の当たりにした自分が感じた絶望的な気持ちを,自分より(ある分野で)劣る相手に当てはめることができるかどうか。

大人でも自分より劣る相手とわかると,やたら攻撃的になったり傲慢になったりする人が沢山います。私自身も強豪校のOBチームとの試合で,あからさまにバカにされたことが多々あります。

いずれにせよ,まずは勝負をしてみないことには,才能の差を感じる場は得られないです。その子の気質に合って,かつ大局観のある大人がそばにいる,そんな場に出会えると良いなと思います。ちょと漠然とした言い方ですが。
体育会系の就職
日経新聞でこんな記事がありました。

人事が欲しがる体育会系 意外な「就活最強」競技(日経 2014/5/18)
(無料登録すると全文を読む事ができます)

内容を要約すると,「金融,商社,IT 業界の営業で体育会出身者が人気で,特に団体競技経験者が喜ばれる。チームワークを大事にし,また辛抱強さを持っているから」ということでした。

じゃあ「企業はどんな競技の体育会系人材をほしがるのか?」。
人気なのはラグビー。そして意外にもラクロスと,そしてハンドボールが記事で取り上げられてました。

ハンドボールやラクロスが採用者に人気の理由は,

・競技人口が少ない
・推薦枠が少ない(ない)
・監督がいるチームが少ない

でした。

...

これはハッキリいえば,弱いチームの条件です。

でも採用者はこう考えるそうです。

・競技人口が少ない
→遅く始める者が多くスタートが一緒なので努力による向上がみえやすい
・推薦枠が少ない(ない)
→ちゃんと入試を受けて大学に行っている
・監督がいるチームが少ない
→自分たちで工夫して頑張っている


強い学校で,推薦枠で進学し,監督の指示通りに勝利を目指す,というのもキャリアプランの一つですが,意外にもそういう子達が「体育会系の求人」であまり求められないそうです。その他,「監督のコネのある企業にしか就職できない」なんてのも述べられてました。

そして,一番求められる人材。
それは「マネージャー」だそうです。
そりゃそうですね。チームのマネージメントを学んでいる訳ですから。
更にケガなどで挫折経験のある子がやる場合も多いため,相手の気持ちを察する能力に長けているそうです。


ただ,そもそも体育会系に求められている「チームワークを大事にし,また辛抱強さを持っているから」という資質を求めている企業は「会社が無理難題を言う」ことを前提にしてる感じもあります。

そんなところに就職したってねえ。

その他の条件で(ハンドボールは)「特性上,激しくぶつかりあうので,ハングリー」というのがありました。そんな仕事をさせる気ですか?

前述したような「弱小」体育会の子たちは,結局そういう使い捨て人材を求める企業には行かない気もします。

自分で「工夫して」「考えてきている」ので。
夢中(ゾーン)
大学生の時,全道大会(北海道でした)で優勝がかかった試合に出場することが出来ました。
相手は全道リーグ27年間無敗のチーム(H25現在)。全員ハンド推薦。全日本クラスの監督率いるチームです。

そんな相手に初心者が混じってるチームが戦う訳です。
監督もおらず,自分たちで練習を組み立ててました。

当然,今まで,割とぼこぼこにやられて終わってました。
ところが,この試合では泥臭いDFと速攻で,思った以上に接戦になりました。
前半をリードして折り返すまさかの展開。

その瞬間,自分の中で時間の感覚がとびました。
一進一退の攻防に夢中になってました。
ずっとこの試合が続くような。どんなに走っても全然疲れないです。
こういう状態をゾーンというのでしょうか。




気づいた時,残り一分でした。
え,もう?


結果は二点差で負けました。
四年間体育大学状態,単位落としたり,平日も週末も3−4時間走りっぱなしで練習したけど,勝利は叶わなかったです。

でも,この夢中になった試合は,20年近くたった今も鮮明に覚えています(美化されてるかも)。
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参加方法
  • 対象 小学生男女およびその家族(未就学児は保護者同伴で可)
  • 練習
    日曜日 並木小学校グラウンド
    不定期土曜日 桜南小学校体育館
  • 参加費 無料(寄付 1回 1-500円程度)
  • 参加方法 開催日ごとの参加票に入力の上、直接会場にお越しください。
  • 年間参加費
    1,000円/年(子供)、2,000円/年(大人)
    登録手数料 200円/件・家族
    ※スポーツ保険+雑費
プロフィール
HN:
Tri-C Ball Party
性別:
非公開
自己紹介:
2011年12月から茨城県つくば市並木地区で,ハンドボールを自由に出来る場を作ろうとする,その記録。

2012年に並木ハンドボールスクールと称して数回スクールを開催も諸事情で一旦休止、バーチャルクラブに。

2013年にみんなで自由にボール運動を出来る場を、と隔週で活動再開。徐々に参加者が増える。

そして2015年4月。

ついに「桜東ハンドボールクラブ」として,活動開始!

問い合わせ先
kyazaki001 (at) gmail.com

(at)をアットマークに。
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