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桜東ハンドボールクラブは,2015年にできた小学生のハンドボールクラブです。 Tri-C Ball Party (トリック・ボール・パーティ)を開催してます。 Coordination, ball Control, Communicationの頭文字三つ(Tri, トライ)でTri-C(ハイフンはよくわからずつけた)。 小学生・未就学児・そのお父さんお母さんを対象として,ストリートハンドボールやハンドボールを題材に、ボールの投げ方,走り方などを楽しく「練習」します。 「あ,なんかみんなでボール遊びやってる」って思った通りすがりの方,どうぞあがってって下さい。
ビジョンなしでのメニュー
当たり前ですが,目標とする選手像のビジョンが指導者にはあるはずです。こういう子にしたい,という。それに応じた練習メニューを組みます。当然,平均的にいろんなメニューを組むものです。が,例えば中学生は冬の平日は20分くらいしか練習できません。その時間をどの能力を上げる事につかうか,というのは,ある指導者はひたすら走らせたり,またあるコーチはひたすらシュート練習だったり,とさまざまだと思います。「短い時間しかなかったら何をするか」そこにビジョンがみえると思います。人生最後の日に何をするか,みたいな。

普段の練習から「メニュー内で目標とする動き」がコーチの頭にないとなりません。なので他の人から教わった練習メニューは,目的を理解しないままやると効果がないどころかおかしなクセを付けてしまう結果になります。

例えば,ボールを下向きに握らせて振りながらスキップし,ジャンプシュート,というメニューがあり,私が昔教わり,古巣に残していったメニューです。振らせるのは手首をリラックスさせるため,スキップはジャンプをするリズムを養うためです。

ですが多くの子が,ボールを手の平に「のせて」スキップしてました。これでは肘を振り上げることも手首を使うこともできません。ただ「ボールを持ってスキップすりゃいい」という指導だと,この形で固まってしまいます。導入した当初もこの状態で,何か違うな,と思って,このメニューを教えてくれたクラブの練習を何回もみせてもらい,ポイントを自分なりに理解しようとしました。

強いチームがやってたから,と練習メニューを理解しないまま採用して放置してしまうと,効果がないどころかおかしなクセを付けてしまう結果になるでしょう。当たり前のことですが,忘れがちです。ボールの拾い方,ターンの仕方といった細部にこそ,技があります。
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「指示し過ぎ」は「指示しなさすぎ」よりもアウト
前回のエントリがなんだか抽象的なのでもうちょっと具体的に。

前にも書いたと思いますが,僕が7年前に指導しだしたころ,試合中いちいち指示を出していました。「戻れ!」「はこべ!」「そこはパス!」「前があいてるよ!」「ディフェンスはもうちょっと右!」などです。当時は今に増して拙い指導で,とにかく教え忘れていることが沢山ありました。試合になるとそういう穴が沢山見つかります。なので少しでも試合を有利に進めてもらおうと,ベンチでぎゃーぎゃーと騒いでいました。

ですが,ある事に気がつきました。私が黙っていると,選手は全然動かなくなるのです。選手はマリオで私がコントローラを握っている状態です。ああ,これでは選手の試合じゃなくて、僕の試合じゃん。

前が空いている,ターンオーバーを受けて戻らなくてはならない,このシーンでついつい周りが声を出してしまいます。ですが,前が空いてることに気づく事,ターンオーバーで戻らなくてはならないこと,これに「気づく事(認知)」こそ,教えられた技術であるはずであり,これを出せるかどうか,試すのが試合です(「試し」「合い」です)。なぜ,周りが答えを教えるのか,ましてやそれを教えたはずの指導者自身が騒ぐのか?ということを,ある時非常に疑問に思いました。

負ける事を許されない集団では,強力な指揮系統と,その指揮に従順に従う選手に育てないとなりません。これは否定しません。というか,そういう集団で働ける人材は社会に不可欠です。また,なんだかんだ言って勝たなきゃ仕方がない,という考えの人も多いでしょう(というか多数派でしょう)。

ですが,僕はそういう選手ではなく,むしろ指示を出す側の人材になって欲しいと思います。なので,試合では「戻れ!」とか「走れ!」といった認知や判断に関わる事は指示しません。コートの外から判断をして試合に勝たすことは簡単です。でも,自分自身の判断で成功/失敗することで得るものこそに価値があると思うのです。
スポーツと判断ー行動
大人になって仕事をするようになると,スポーツからは遠ざかります。デスクワーク中心だとなおさらからだを動かさなくなります。そうすると,スポーツを学ぶ意義はどこにあるのか,ということになります。

学ばせる方も,健康増進かメダルを取らせるか,の二極化になりがち。つまり,「実力は(大幅に)劣るけど一生懸命やりたい」という選手の活動する場が失われていく感じがあります。「下手なくせにむきになって...」「勉強だけやってればいいじゃない...」みたいな感じです。

ですが,私は,ある特性を意識してスポーツを指導することで,ある「技術」が発達すると感じてます。データはありませんが,感覚的なものです。その技術というのは「瞬間的な行動力」です。で,特性というのは,1)局面の認知ー判断をさせること,2)判断に求められる動作を出来るようにすること,3)認知から動作までを瞬間的に行うこと,です。

スポーツはこの認知→判断→動作→行動修正→認知→...の連続です。とっさの判断があちこちで要求されます。この一連の技術は日常や仕事などでも生きると思います。運動能力のすぐれた人でもコーチのいいなりの選手もいれば,運動が苦手でも瞬間的な行動力にすぐれた人は沢山います。これは,「認知」から「行動」までのサイクルを学んでいるかどうか,によると思います。

車の運転中のアクシデントや,突如ふって湧いた仕事への対応。これらへの対応はスポーツだけやっていたって,全然出来るようにはなりません。ですが,どう対応するか,という知識(技術)があれば,それを素早く取り出す「判断ー行動」の能力は,スポーツによって高められるのでは,と思います。

繰り返しますが,あくまで感覚的なものです。この研究例があれば,知りたいですね。
それぞれに新入生
並木のハンドボールスクールは,少し間をおくことになりましたが,前回きてくれた子の1人は大変楽しかったらしく,他のハンドボールクラブに入ることになりました。輪が広がった成果になり,スクールやって良かったです。

中等も新入生の体験入部が始まりました。ハンド部にも多くの新入生が顔を出してくれてます。学業が忙しい中でスポーツも頑張ろうとしてくれてます。運動が得意そうな生徒も苦手そうな生徒もいますが,それは全く問題ではないですよ。この生徒たちが1年後,3年後,6年後にどれだけハンド(や運動)を楽しめるようになっているか,それだけが大事なことです。中等は6年間成長を追う事ができますので。

今,小学生時代から合わせて8年間みている子がいます。僕の中でも最長です。この子はずっとジャンプシュートができませんでした。不思議なもので「きっと出来るようになる」と(根拠なくても)期待を込めてみると,その期待に応える方向に進むんですね,どんな子でも。

この場合の「みる」とは,しつこく詰め込んだり,なだめたりすかしたり,そういうのではありません。出来る出来ないは別に,やろうとしてるかどうか,それだけを評価します。理想の動きに,たとえわずかでも近づいたときは,ほのかに褒めます。過剰に褒めるとおだてていると感じます。何も言わないと不安になります。怒ると怒られないことだけをやります。なので,さらりと声をかけるだけです。「できてるじゃん」とか。

ジャンプシュートが出来るようになるのに3年近かかったその子は,さらにその5年後の今は,ものすごいきれいなフォームでディフェンスの上からシュートを打てるようになりました。鋭いフェイントはまだできません。でも,きっと出来るようになると思います。
保護者の望むもの
以前書きました「なぜ入会するまでいかないのか理由が知りたい」ということに関して少し分かったことがありました。

自分自身,体育推薦ではない大学にしては割とハードな練習をしてきました。いつやめてやろうか,と思ってましたが,最後まで続けてしまいました。おかげで今でもかなり自由にからだが動きます。

なので自分が指導する以上,子供たちにも「器用なからだ」と「強い気持ち」を与える場を作りたい,と考えてました。ですが,保護者の方々の話を聞くと,必ずしも「子供のからだを鍛えたい」という理由でスポーツをやらしている訳ではないみたいです。

多いのは「友達がやっているから」「時間がなんとなく」という理由かなと思いました。あまり上手にからだを動かせない子も「ハードな練習をしてまでパワーアップしたい」という感じではなく,出来ないなら出来ないなりに,という感じです。

この前,自分のお子さんにハンドボールを一度やらせてみようか,という方の話を聞きました。僕はハンドボールの競技の優位性とか教育効果とか切々と語りましたが,結局「なんか(私がやったボール投げの)授業が面白いって言ってたから」という理由でした。つまり保護者も,子供の運動能力を高める必要性に追われていない,ということです。「ハンドボールやるとバランス良く全身が ... 」なんて理屈言はあまり意味がなかったわけですね。

これを「やるなら勝たないと意味がない」なんて言ってしまうとダメです。勝つ喜びも大事ですが,(他人と比べずに)今の状況を楽しめる,というのも同じくらい大事だと思うのです。社会でつらい思いした多くの大人は,この事が分かる人が多いと思います。誰でも能力以上の事を過剰に要求されるとポッキリ折れます。あきらめることが出来る,というのは自分を守るために必要なことです。

ただ,つくばの子供と接して感じるのは,ちょっと難しい練習を課すとすぐに「無理!」といって避ける,ということです。つまり,着実に結果が出ることしかしない,ということです。この原因は,おそらく子供のした「結果」だけみて,褒めたり怒ったりしているからではないでしょうか。

指導の本質は「プロセスをみてあげること」です。RPG だっていきなりHPも攻撃力もMAXで魔法を全部覚えていたら面白くないです。面白いのは結果が得られるプロセスです。指導者が「上手くなろうとするプロセス」を重視しているのであれば,ある程度ハードな練習を課すはずです。だから保護者には,試合ではなく練習こそ見てあげてほしいと思います。
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参加方法
  • 対象 小学生男女およびその家族(未就学児は保護者同伴で可)
  • 練習
    日曜日 並木小学校グラウンド
    不定期土曜日 桜南小学校体育館
  • 参加費 無料(寄付 1回 1-500円程度)
  • 参加方法 開催日ごとの参加票に入力の上、直接会場にお越しください。
  • 年間参加費
    1,000円/年(子供)、2,000円/年(大人)
    登録手数料 200円/件・家族
    ※スポーツ保険+雑費
プロフィール
HN:
Tri-C Ball Party
性別:
非公開
自己紹介:
2011年12月から茨城県つくば市並木地区で,ハンドボールを自由に出来る場を作ろうとする,その記録。

2012年に並木ハンドボールスクールと称して数回スクールを開催も諸事情で一旦休止、バーチャルクラブに。

2013年にみんなで自由にボール運動を出来る場を、と隔週で活動再開。徐々に参加者が増える。

そして2015年4月。

ついに「桜東ハンドボールクラブ」として,活動開始!

問い合わせ先
kyazaki001 (at) gmail.com

(at)をアットマークに。
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